革製品を知る|バッグの部位(パーツ)とバッグの種類
革バッグの歴史には諸説ありますが、江戸時代以前からあった胴乱(どうらん)と呼ばれた物を入れるために作られていたものが、バッグの原型であると言われています。主として革が使用されていました。
現在の形となったのが、大正から昭和初期といわれています。このときからバッグにはそれぞれの部位(パーツ)が明確になり、それらの呼び方も定着してきました。バッグはどんな部位で成り立っているのか、お伝えします。
また、さまざまなバッグの種類をあげながら、バッグ選びに失敗しないポイントをご紹介します。
バッグを構成する部位(パーツ)
バッグはさまざまな部位で構成されており、それは職人たちの高い技術力が凝縮されているといっても過言ではありません。あなたのお気に入りのバッグと長く付き合うために、どのような部位で構成されているのかお確かめください。
ハンドル(持ち手)
バッグの持ち手の部分。多くの場合はバッグと同素材でつくられますが、金属や樹脂や木で使ったものまで様々あります。もっとも触れる部分でなので持ちやすさ、握りやすさ、また本体とのバランスなど、入念に工夫されています。
コンパートメント
バッグに物を入れる収納部分のこと。最も大きな収納部分はメインコンパートメントやメインスペースと呼びます。現代ではA4やPCが入れられるかが、ひとつの基準となっています。
アオリ
開口部のファスナーやその脇の隠しポケットのような箇所をアオリと言います。利便性が高く、ボストンバッグやブリーフケースなどの機能性に重点を置いたバッグに用いられるケースが多いです。
マチ
バッグの奥行き(厚み)のことです。高さと幅が同じバッグでも、このマチが変わるだけで容量が大きく変わります。収納するものにあったマチのサイズを選ぶことが大切です。
底
地面と接触することが多いので、頑丈であることが重要。立ち姿を安定させ型崩れを防ぐために、一定の硬さが必要な部位だ。底の角は傷みやすく、縫製の確かさが問われる
バッグが作られる工程
革の裁断
バッグの型をもとに、各パーツに分けこれをもとに革を切り取っていきます。各パーツにどの革のどの辺りの質感が適切であるか、またパーツの形状や面積によって、効率よく無駄なく切り取る箇所を見極めるのも、革職人の熟練の技術の1つです。
革漉き
裁断された革を加工しやすく、アイテムのデザインに沿った適切な厚さに調整するための作業です。すべて均一ではなく、各パーツによって求められる厚みがそれぞれ異なります。後の工程にも影響する大切な作業です。
コバ磨き(コバ塗り)
裁断した革の断面を「コバ」とよびます。カットした後のこのコバは目が荒いので「コバ磨き」という作業により、革の断面を丸みを帯びたきれいに仕上げ、見た目だけでなく触感も整えます。コバ磨きを美しく整えることで革製品の印象が大きく変わる重要な工程です。
縫製
革のパーツ同士の縫製から、裏地、持ち手、胴、マチをそれぞれ縫いつなぎ合わせていきます。正確で均整のとれた縫製は、製品の出来栄えだけでなく商品の寿命も左右します。最後に縫製時の余った糸などを取り除きます。
整形
各パーツの縫い目や縫合部分など、細部までチェックを行います。縫い目がゆがんでいたり縫い合わせが不十分であったりすると、見た目が悪いだけでなく、その部分から破損しやすくなることがあります。不具合のないように入念に精査します。チェックが終わったら、バッグが「いい顔」になるようにバランスを見ながら形を整えます。
さまざまなバッグのタイプ
気に入って購入したバッグが、いつのまにかタンスの肥やしになってしまった。。。そんな経験はありませんか? バッグ選びには、デザインはもちろんですが、どんなシーンで使うのか、どんな機能が欲しいのか、という点を考える必要があります。
バッグ選びには、その種類とそれぞれの特徴を知っておくことが失敗しないポイントです。さまざまなバッグの種類をご紹介!
トートバッグ
もともとは水や氷を運ぶために考案されたトートバッグは、今ではカジュアルバッグの代名詞的存在になっていますね。トートバッグは着こなしを選ばないところが魅力です。定番のキャンバス地のものはカジュアルで、シックなレザーのものはビジネスというように、現在では幅広い素材のトートバッグがみられます。トートバッグの魅力は「出し入れのしやすさ」と「視認性の高さ」です。性別・年代を問わず、幅広く愛用されています。
ショルダーバッグ
ショルダーバッグは文字通り肩からかけるバッグです。さまざまな大きさ、デザインがあり、リュック同様に両手が自由になるで、アクティブな休日バッグや旅行バッグとしても活躍します。ビジネスには不向きです。
ボストンバッグ
アメリカ・ボストン大学の学生が使っていたことから名付けられたと言われています。底部分のマチ幅が広く収納力が高いことから、おもに旅行や出張用バッグとして使われます。近年では、少し小ぶりのデザインで日常使いできるお洒落なタイプもあります。
リュック(バックパック)
両手が自由になる機動性に優れたバッグです。日常使いから本格的な登山まで、サイズやデザインのバリエーションが豊富にあります。
以前は若者が持つバッグというイメージでしたが、シンプルなデザインやレザータイプものは大人からも支持されビジネスシーンでも人気です。どんなシーンで使いたいか、目的を確認して購入するようにしましょう。
ブリーフケース
日本語で「書類用バッグ」の意味をもつブリーフケース。A4の書類が入れられるサイズが好ましく、大人の貫禄を演出できるレザー製から軽い持ち味が楽しめるナイロン製まで素材はさまざまです。いずれもスーツからジャケパン、ビジカジまでの幅広いオンスタイルに活躍します。また、仕事で使うことを考えると、ブラックやネイビー、ブラウン系などのベーシックカラーを選ぶのがベストです。
クラッチバッグ
ここ数年でおしゃれバッグとしての注目度がグッと上がったクラッチバッグ。フォーマルなシーンだけでなく、ビジネスやカジュアルでも取り入れられるようになっています。コンパクトなものからA4までサイズはさまざまですが、男性にはA4が入る大きめサイズが好評で、バッグ・イン・バッグとして使っている人も多い様子。レザー製の小ぶりのものなら結婚式などフォーマルシーンに最適です。
まとめ
革のバッグの場合は、その革の素材感をもってバッグの良し悪しが語られがちですが、素材と両輪でそれぞれの部位(パーツ)も、バッグの品質や寿命を決める非常に重要な要素です。気がつきにくい細部まで整えることで、それらのひとつひとつが全体の雰囲気へとつながります。
あなたのお気に入りのバッグが、どんなデザインがベースになっているのか、またバッグの部位の細部に目をやることで、これまでとは違った見え方を得てさらに愛着が増すことと思います。
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