エコレザーって本革?フェイクレザー?
世界の取り組みとして「SDGs(エスディージーズ)」が掲げられ、アパレル業界においても環境に優しい「サスティナブル」や「エシカル消費」といった機運が高まっています。そのなかでエシカルな素材のひとつとして「エコレザー」が注目されています。エコレザーは環境にも優しく、取り入れるブランドも増えてきました。
そんな「エコレザー」はリアルレザー(本革)やフェイクレザー(合成皮革)と、何が違うのか?気になるエコレザーについて、わかりやすくお伝えします。
〇 エコレザーとは?
エコレザーは、合成繊維フェイクレザーの一種と思われていることも少なくありませんが、エコレザーとフェイクレザーは別物です。エコレザーは、リアルレザーつまり天然の皮革です。
ではリアルレザーと何が違うのかというと、エコレザーは、製造・輸送・販売・再利用のサイクルの中で環境面で影響が少ないと認められる革製品の事です。
エコレザーはヨーロッパを中心に普及・発展し、2002年には中国でも基準が定められ、世界的なトレンドになっています。日本でも2006年に「NPO法人 日本皮革技術協会」と「一般社団法人 日本タンナーズ協会」により、「日本エコレザー基準(JES)」が制定されました。
日本エコレザー基準(JES)認定要件は下記の3つです。
- 天然皮革であること。
- 排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること。
- 臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・禁止アゾ染料・発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること。
また、品質についても「皮膚断面繊維構造を損なわない革」に限られ、再利用においても革の機能を損なわないことが大前提とされています。
エコレザーは地球にも着る人にも優しい革製品です。
〇 フェイクレザーとは?
近年ファッショニスタのSNSなどで、フェイクレザーとリアルレザーを混同している散見されますが、フェイクレザーは人工繊維である「合成皮革」です。最近ではヴィーガンレザーとも呼ばれています。ポリアミド・ポリウレタンなどの合成樹脂からできています。年々技術が高まり、リアルレザー(本革)と見間違うほどですね。
見えるように水や中性洗剤で汚れを取れるものもあり、機能性の良さからバッグやポーチを中心に人気となっています。
〇 リアルレザーとフェイクレザー、エコレザーの違いとは?
それでは、リアルレザーと、フェイクレザー、そしてエコレザーの違いは一体何でしょうか。
メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
リアルレザーのメリット
・動物の天然皮革なので、質感や色合い、艶など圧倒的な高級感がある
・使えば使うほど味わいが深まり、経年変化が楽しめる
・メンテナンスにより耐久性が高まる
リアルレザーのデメリット
・動物から原材料を採るという現実がある
・水によるシミや汚れつきやすくカビが発生する場合もある
・定期的なメンテナンスが必要
フェイクレザーのメリット
・耐水性があり扱いやすく気軽に使える
・本革よりも安価
・軽くてまた加工しやすいので、服は着やすく小物ならば持ち歩きやすい。
フェイクレザーのデメリット
・表面が劣化しやすく長持ちしない。
・経年劣化を楽しめない。
・風合いはなく質感や色合いが均一なので本革にくらべ趣に欠ける
・蒸れやすい
エコレザーのメリット
・環境に配慮して作られており、環境汚染の負荷を軽減されている。地球にも人体にも優しいため、注目されている。
・本革と同様に、質感や色合いに味があり、経年劣化を楽しめる。
・本革にくらべると安価
エコレザーのデメリット
・本革と同じように水によるシミや汚れつきやすくカビが発生する場合もある
・定期的なメンテナンスが必要
・フェイクレザーよりやや高価
以上、各レザーそれぞれのメリットとデメリットでした。
質感や色合いの経年変化を楽しみ、革を自分の手で育て、長く愛用するなら「リアルレザー」。
手入れいらずで気軽にファッションへ取り入れたい場合は「フェイクレザー」。
そして、リアルレザーの特徴をたのしみつつ、人や地球環境にやさしい「サスティナブルな社会」への貢献を感じるなら「エコレザー」。
あなたの価値観・使い方・目的に応じて選ばれるといいですね。
〇 まとめ
天然革の表情や経年変化を楽しめて、地球にもやさしいエコレザーは、使う人だけでなく環境や未来にも価値観をひろげた次世代の革のありかたかもしれません。エコレザーのような再利用可能で環境にもやさしい素材が、今後も注目されていくでしょう。次回、革製品を購入する際は、ぜひエコレザーも候補にあげてみてください。
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