牛革の種類と特徴|革のトリビア
〇 牛革の特徴
革といえば、牛革をイメージするほど最もポピュラーな革です。流通量も多く、身の回りにあるほとんどの革製品は、牛革といっても過言ではないでしょう。丈夫で使いやすく、加工のバリエーションが豊富なため、バッグや財布、靴、ファッション、インテリア用品に至るまで、さまざまなアイテムに使用されています。
BLUE SINCERE(ブルーシンシア)の本革製品は、バングラデシュにて生産をしていますが、年2回のイードと言われる祭りにて食べられる牛の皮を使っているため、環境に悪いと言われることがありますが、決してそんなことはありません。
〇 牛革のさまざまな名称とランク
皮の部位によっても、その呼び名やグレード(価格)が異なります。同じ牛でも、硬さ、耐久性、風合いによって細かく分かれます。性別や成長期間、出産や去勢の有無によって、カーフスキン、キップスキン、カウハイド、ステアハイドなどの名称で呼ばれます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
〇 牛革の種類
カーフスキン|最上ランクの牛革
カーフスキンは生後6ヶ月以内の仔牛の革です。牛革のなかで最高ランクに位置します。もともとの面積が小さく薄手で、成牛にくらべキメが細かく柔らかいのが特徴です。表面はなめらかで美しく、肌の当たりが優しいので、触れる機会の多いバッグや靴、衣類に使われることが多いです。採れる数が少ないことから高値で取引されており、主に高級ブランドのアイテムに多く採用されています。
ヘアカーフ|短い毛が特徴の希少な革
カーフスキンのなかでも、出産前にお腹のなかで亡くなった子牛や生後6ヵ月間以内の仔牛の革で、毛の風合いを残したまま仕上げた革です。大変希少なためほとんど流通していません。しっとりとした毛並みの肌障りは他にない心地よさです。ヘアカーフに似た革で「ハラコ」があり、ハラコはポニー(仔馬)の革を指します。
キップスキン|美しくしなやかな高級革
キップスキンは生後半年〜2年ほどの牛の革です。仔牛と成牛の中間に位置し、カーフスキンに次いで上質な革です。カーフには及びませんが、しなやかで美しく、優しい肌触りで手になじみやすいです。カーフよりも厚みがあり耐久性が高く、また供給量が安定しているので、高級ブランドのバッグや革小物など幅広く用いられています。
カウハイド|柔らかさと耐久性のバランス良い革
「カウ」は成長した雌牛を指し、生後2年以上で出産を経験した成牛の革がカウハイドです。カーフやキップスキンには劣りますが、雄の成牛より柔らかい革です。厚み、キメ細かさ、耐久性においてバランスがとれた革で、繊細さと丈夫さを兼ね備えた革です。
出産により、お腹周りの繊維が緩くなっているため、主に、ショルダー(肩から背中にかけて)部分が使われています。また、出産経験のない雌牛はカルビンと呼ばれ、カウハイドにくらべ、キメ細かく、なめらかな肌触りです。
ステアハイド|もっとも多く使われている革
生後3〜6ヶ月以内に去勢され、2年以上経った牡の成牛の革です。ステアハイドは、肉厚かつ均一な厚みで、耐久性が高く、またサイズが大きいので、製品加工しやすい特徴があります。また、市場への流通量が多く品質が安定していますので、多くの革製品に使われ需要の高い革です。
ブルハイド|もっとも強固な革
「ブル」は成長した雄牛を意味し、生後3年以上経った去勢されていない牡牛の革がブルハイドです。牛革のなかでもっとも耐久性が高く肉厚です。雄同士のケンカなど傷が多く、またシボが大きい点も特徴です。
丈夫で繊維が粗いため、靴底や工業用の革など、主に強度が求められる箇所に使われています。重厚でしなやかさに欠けるので、肌に触れるような衣類やバッグには不向きとされています。
レザー愛好家のなかには、このもっとも野性味を感じるブルハイドをあえてアクセサリーやベルトなどに使い、その独特の質感と風合いを楽しんでいる方も少なくありません。
〇 まとめ
牛革は「食肉の副産物」として生まれ、私たちの生活に役立ってきました。その長い歴史の中で、人々は牛革を加工し製品にするもっとも適した状態を見極めることで、無駄なく使う技を身につけてきました。さまざまなランクや呼び名の違いを知ることで、より革製品の理解も深まったことと思います。今後また新しく革製品を手にするときに参考にしてください。
現在、牛革は国内からイタリア、中国などさまざまな国で生産されています。弊社BLUE SINCERE(ブルーシンシア)では、良質でありながらもコストパフォーマンスが高いことで近年注目されている、バングラディシュ産のレザーを使用しています。