クロコダイルレザーの特徴|革のトリビア
〇 クロコダイルレザーとは?
エキゾチックレザーの最高ランクと言えばクロコダイルレザー。「 ワニ革=クロコダイル」というイメージがありますが、ワニ革には「クロコダイル」のほか、「アリゲーター」、「カイマン」などの種類がありま す。
なかでも「クロコダイル」はその斑紋の美しさ、耐久性、希少性から人気があり「 ワニ革ならクロコダイル」といわれる所以になっています。
〇 クロコダイルレザーの種類
クロコダイルは4種類あり、「スモールスケールクロコダイル」「ナイルクロコダイル」「ラージスケールクロコダイル」「シャムクロコダイル」に分かれます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
スモールスケールクロコダイル(イリエワニ)
横腹のウロコの形状は丸く全体のバランスが整っていて、ワニ革の中で最も高級とされています。ヨーロッパでは「ポロサス」とも呼ばれています。
ナイルクロコダイル(ナイルワニ)
イリエワニ(スモールクロコ)より若干大きく、腹部は長方形をしたウロコで細かく整然と並んでいます。
ラージスケールクロコダイル(ニューギニアワニ)
ニューギニア島のみに生息するワニで、同じ横幅のスモールクロコとラージクロコを比べるとラージはそれに比べると大きいウロコをしています。
クロコダイル(シャムワニ)
腹部のウロコの形状は長方形で、スモールクロコに似ています。スモールクロコとラージクロコの中間の大きさになります。横腹は丸みのある形状をしているのがシャムクロコダイルの特徴です。
〇 型押しのクロコダイルとは?
「型押しクロコダイルレザー」とは、クロコダイルのウロコの形を模写した金属盤を作り、それを牛革、羊革などにプレスしてウロコ模様を成形した革です。
「型押しは偽物」というわけではなく、本物のクロコダイルレザーは、希少性と価格が高いので、クロコダイルの独特な雰囲気をもっと手軽に楽しみたいということから、「型押しクロコダイルレザー」が作られるようになりました。
近年では技術がすすみ、ウロコの大きさがバラつきや、シワ感、色あいなど、本物のクロコダイルと見分けがつかないような精巧なものがあります。
きちんと「クロコダイルの型押しレザー」と表記され、販売しているブランドもたくさんあります。
〇 クロコダイルのお手入れ方法
日々のメンテナンスは、柔らかく乾いた布でやさしく拭き上げてください。また、ウロコの溝にはホコリや汚れがたまりやすいので、柔らかいブラシでかるく丁寧にブラッシングしてください。艶加工のクロコダイルの場合は、やわらかいブラシでも傷がつく場合がありますのでございますのでご注意ください。
2~3ヵ月を目途にエキゾチックレザー専用のクリームでケアします。布で汚れやホコリを除去したのちに、クリームをうすく広げるように塗布します。その際は目立たないところに塗布し染みや革の変質がないか確認してお使いください。
〇 水に濡れてしまったら
他の動物の革と同じようにクロコダイルレザーも、濡れると染みの原因になります。また、濡れた状態で強い摩擦が生じると、色落ち・色移りする場合もございます。もし濡れてしまったら、速やかに乾いた布で拭き取り、直射日光の当たらない風通しのよい場所で乾かして下さい。ドライヤーの使用は、熱により革が変質する可能性がございますので、お控えください。
〇 クロコダイルはエイジング(経年変化)も楽しめる
クロコダイルレザーも、使い込むほど色合いや風合いの変化によるエイジングが楽しめます。人の適度な油分が時間をかけて、革に浸透し味わい深いものへと変化します。ときどき触ってあげて革の質感を楽しむことが、良いエイジングへとつながります。革のシワ感や色の変化などを確かめながら、大切に可愛がってください。