本革の魅力を深掘り!タンニン鞣しについて徹底解説

本革の紹介ページで「植物タンニン鞣(なめ)し」という言葉を目にしたことはありませんか?革製品の質感や耐久性、エイジングの美しさに大きく関わるこの「タンニン鞣し」ですが、具体的にどのような工程で行われるのか、どんな特徴があるのかをご存じでしょうか?
本記事では、本革を加工するうえで欠かせない「鞣し(なめし)」という工程と、タンニン鞣しの魅力について詳しく解説します。革製品選びの参考になるだけでなく、本革の奥深い世界を知るきっかけになれば幸いです。
そもそも「鞣し(なめし)」とは?

「鞣し」とは、動物の「皮」を腐敗や劣化から守り、しなやかで丈夫な「革」へと加工する技術のことです。
鞣しの工程を経ることで、皮は衣類やバッグ、財布などの製品として長く使える「革」素材へと変わります。鞣しの方法には大きく分けて「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」があり、それぞれ仕上がりの特性が異なります。
では、タンニン鞣しとはどのような製法なのでしょうか?
タンニン鞣しとは?
タンニン鞣しは、植物由来の「タンニン」という成分を使って革を加工する伝統的な製法です。
タンニンとは、柿やお茶の葉、樹木の樹皮などに含まれるポリフェノールの一種で、収れん作用や防腐作用があることで知られています。革にタンニンがじっくりと浸透することで、繊維が引き締まり、耐久性が向上します。
ただし、タンニンが革に浸透するには時間がかかるため、1か月から数か月ほどじっくり漬け込む必要があります。時間をしっかりかけて皮に浸透させることで、丈夫で味わい深い革が生まれるのです。
クロム鞣しとの違い
タンニン鞣しに対し、「クロム鞣し」は塩基性硫酸クロム塩という化学薬品を用いた製法です。
クロム鞣しは、わずか1日程度で革を加工できるため、短期間で大量生産するのに適しています。さらに、タンニン鞣しの革に比べて柔軟性があり、耐水性にも優れています。
一方で、クロム鞣しの革は経年変化が少なく、エイジングの楽しみはあまりありません。長く使うほどに味わいが増す革を求める方には、やはりタンニン鞣しの革がおすすめです。
タンニンの特徴

タンニンにも様々な種類があり、主に以下の植物から抽出されます。
- ミモザ
- チェストナット
- ケブラチョ
これらの植物から得られたタンニンを使い分けることで、革の風合いや特性を調整できます。
タンニン鞣しの革の特徴

1. しっかりとしたハリとコシ
タンニン鞣しの革は、繊維が引き締まっており、クロム鞣しの革に比べるとやや硬めです。そのため、しっかりと形を保ちやすく、使い込むほどに手に馴染むようになります。
2. 経年変化(エイジング)を楽しめる
使い込むほどに色や艶が増し、自分だけの風合いに育っていくのが最大の魅力。しなやかで使いやすくなっていく革の変化を楽しみながら、愛着を持って使い続けることができます。
3. 通気性と吸湿性が良い
タンニン鞣しの革は、内部の繊維構造が保たれているため、通気性と吸湿性に優れています。これにより、汗や湿気を吸収しやすく、蒸れにくいのも特徴です。
4. 環境にやさしい
植物由来のタンニンを使用するため、クロム鞣しに比べて環境負荷が少ないのもメリット。環境に配慮しながらナチュラルな革製品を求める方にもおすすめです。
タンニン鞣しの革を使用したおすすめアイテム
本革シンプルトートバッグ/RT6
イタリアンレザー二つ折り財布/ILW3
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まとめ
本革を加工するうえで重要な「鞣し」の工程と、タンニン鞣しの魅力について紹介しました。
革製品を選ぶ際に鞣し方まで気にする人は少ないかもしれませんが、だからこそ知っているとより自分に合ったアイテムを選ぶことができます。特に、エイジングを楽しみながら長く使いたい方には、タンニン鞣しの革製品がおすすめ。じっくり時間をかけて育つ革の魅力を、ぜひ手に取って感じてみてください。