革製品を知る|革製品に使われる世界の金具メーカーをご紹介
革製品に使われる金具といえば、まずジッパーを思い浮かべますが、金具はそれだけではありません。スナップボタンやハトメなど、ジッパー以外にも使われる金具があります。
これらの金具を製作している様々なメーカーが世界に存在します。革製品のパーツとして、ジッパーの次によく使われるスナップボタン(ホック)やフックについて、これらを製作する世界のさまざまなメーカーをご紹介します。また金具のメンテナンス方法もお伝えします。
世界の金具パーツメーカー
革替品に使われる金具を製作する各メーカーには、それぞれが歩んできた歴史があり、また製品の特長も様々です。
FIOCCHI社(イタリア)
FIOCCI(フィオッキ)は400年の長い歴史と伝統を持つ金具メーカーで、ヴィンテージのGUCCIなどハイブランドのバッグや財布の金具を多く製造していました。現在はドイツのPRYM社に吸収されて、FIOCCHIが刻印されたスナップボタンは製造されていません。
FIOCCHI社製の金具の特徴
内部にバネが付いた「バネホック」という構造になっており、開閉時に「パチンッ」という重厚感のある音がします。また、適度に柔らかい材質を用いているため、簡単に開閉ができます。
PRYM社(ドイツ)
ドイツは古くから細かい部品やジュエリーなどの分野が卓越しています。PRYM(プリム)も500年以上の歴史を誇ります。ドイツ西部に本部を置く大手工業メーカーで、世界で初めて「縫い付け式スナップボタン」を開発しました。革製品に使うような金属性のものから、薄い布地に使うプラスチック製のものまで、大手らしい幅広い品揃えと安定した供給により信頼の高いメーカーです。先ほどご紹介したイタリアのFIOCCHIの親会社にもなりました。
PRYM社製の金具の特徴
重厚な革製品に対応した存在感のあるタイプから、繊細なカッティングの上品なものまでデザインも豊富にあります。変形がしにくい「形状記憶」を施したスナップは、耐久性に優れ高い品質を維持します。やや硬めでしっかりした開閉は使用上の安心感をもたらします。
AMIET社(スイス)
1945年に創業したスイスの金具メーカーで、精巧で優れた品質とヴィンテージライクな美しいデザインのフックは、世界的に定評があります。スイスだけでなく、フランスやイタリア、ブラジルにも支店があり、ブリーフケースやアタッシュケースなど皮革製品向けの「ロック金具」のメーカーとして有名です。
AMIET社製の金具の特徴
AMIET(アミエット)の金具は、鉄だけでなく、耐久性を高める「焼き戻し加工」を施した銅を使用しています。最高品質と機能性が保証されています。また、水力発電によるグリーンエネルギーで工場を稼働し、環境に優しいモノづくりを行っています。
HASI-HATO(日本)
国内の金具メーカー「阿部ハトメ株式会社」が展開する金属スナップボタンのHASI-HATOシリーズ。1952年に設立した同社は、創業以来、優れた技術で高品質な金具を製造し、国際規格である品質マネジメント(ISO認証)を得た工場で生産管理しています。製品は香港、タイ、台湾、中国、韓国やマレーシアなど、多くの国々に輸出されています。
HASI-HATOの金具の特徴
HASI-HATOのスナップボタンは少し硬く、脱着強度は「しっかりめ」の設計がされています。消耗が少なく「パチン」という軽快な音でスムーズに開閉できます。また、熱に強く耐久性に優れています。
HICROWN(日本)
1947年に設立した株式会社久永製作所(HISANAGA)が製作する「HICROWN」シリーズ。同社は優れた金属加工技術をもって、ステンレス、鉄、真鍮などのスナップボタンを製作しています。アメリカをはじめヨーロッパ、東南アジア諸国など50数ヵ国以上に輸出している世界で活躍するメーカーです。
HICROWNの金具の特徴
HICROWNは革製品に特化したシリーズで、ソフトタッチな開閉でありながらも、しっかりした脱着感があります。機能的でシンプルなデザインは製品の邪魔をしません。
金具のメンテナンスは?
金具の周りが「青緑っぽく変色していた」という経験はありませんか?この青緑色に変色した部分は「青錆」と呼ばれ、銅や真鍮に発生しやすい錆の一種です。
身体には影響ありませんが、そのまま長期間放置しておくと、金具周りの革の変色や他の衣類などに色移りする場合があります。
青錆の除去方法
青錆は、誰でも簡単に5分程度の作業で落とせます。もし青錆ができてしまったら、できるだけ早く除去することをおすすめします。
用意するもの
重曹、水、綿棒(または使い古しの歯ブラシ)、布を用意します。
青錆の除去のしかた
- 重曹と水を入れ混ぜペースト状します。
- 綿棒(または歯ブラシ)にペーストをとり、青錆部分を磨きます。
- 磨き終わったら濡らした布で拭き取ります。
- 乾いた布で残った水気を取ります
まとめ
何気なく使っている革製品ですが、使われている金具にはそれぞれ高い技術のメーカーが携わっていることがお分かりいただけたかと思います。また、金具の青錆は、季節によっては製品を使っていても発生してしまう場合があります。簡単に除去できるので、革製品のメンテナンス時に一緒に行ってみてくださいね!
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