革製品に欠かせないコバとは?|革のトリビア
革を製品に仕立てる際に、裁断した革の断面を「コバ」とよびます。
革の断面は、ざらつきがあり木目ように見えることから「木端(コバ)」と呼ばれるようになりました。多くの革製品は、このコバの部分を「コバ磨き」という作業により、革の断面がきれいに状態にされています。実はこのコバの部分が製品のデザインや耐久度に大きく影響します。そんな意外と知られていない「コバ」についてのあれこれをお伝えします。
なぜコバにこだわるのか?
革製品の良し悪しは、単に革の品質や特性だけではありません。各パーツを縫い合わせ成形し、見た目をきれいに整えることが重要です。あなたがお持ちの革製品すべては、革職人によって細部まで整えられて製品化されています。この「見た目をきれいに整える」工程の中で、コバの処理は見た目の印象を左右する重要な工程です。
コバの役割
一部の革製品にはデザイン性を重視しあえてコバを加工せずに、革の野性味をいかすため革の裁断面をそのままの状態で製品化されたものがあります。コバをそのままの状態で使用すると、場合によっては革の線維がほつれてしまいひび割れて破損の原因となったり、コバの先端がめくれあがり黒ずんだりします。
また、コバは製品の美観を保つだけでなく、摩擦や衝撃を受け流す車のバンパーのような役割も兼ねています。コバの仕上げは、製品の美観だけでなく耐久性にも関わる重要なポイントなのです。
コバのお手入れ
革製品は使い込んでいくほど、独自の味わい深い表情へと育っていきますが、前述したように、コバが傷や摩擦を受けやすいので痛みやすい箇所ですのでコバの部分も定期的なケアが理想的です。
あなたも簡単にできるコバのお手入れ方法をお伝えします。
コバのお手入れ方法
コバが傷や摩擦が重なったいくと、ささくれて毛羽立ちオイルが抜けた状態になります。このような状態になってしまうと、(味が出ている表情ではなく)製品全体がくたびれた印象になってしまいます。コバのお手入れによって、経年変化で味が深まった本体を、キリッと引き締め上質なアクセントを与えます。
お手入れに必要なもの
・ブラシ
・サンドペーパー (#400~#800)
・レザークリーム(カラー付き)
・清潔な布
①ブラッシング
まず、お手入れに入る前にブラッシングして、細かな部分に入り込んだホコリを取り払ってください。
②コバ表面を整える
ブラッシングで余分なホコリを取り除いたら、コバの表面を目の細かいサンドペーパーでこすります。このとき力を入れすぎると、削りすぎたり革が伸びる可能性がありますので、様子をみながら優しくなでる感じで行ってください。
③クリームを塗る
コバの塗布面積は小さいので、布に少量をとって少しづつコバ表面を馴らすように塗り込んでいきましょう。細かい箇所の場合、布の代わりに綿棒を使うと作業しやすいです。すこし多めに塗布しておいてください。塗り終えたら、30~40分程度乾かします。
④余分なクリームを拭き取り
乾いた布で、余分なクリームを拭き取っていきます。あまり力を入れすぎるとせっかく塗ったカラーが剥がれますので、軽く撫でるように丁寧に行ってください。
まとめ
コバになぜこだわるか、またコバの役割、そしてメンテナンス方法がお分りいただけたかと思います。時間をかけじっくりと自分の手で育てることが革製品の醍醐味です。
しかし、どれだけ革製品の表面をきれいにしていても、コバが傷んでいると、その魅力は半減し革製品の本来の美しさが損なわれます。コバをきれいに保つだけで、その革製品の真の魅力を味わうだけでなく、耐久性も高くなります。
革製品のメンテナンスをされるときには、コバもチェックして定期的にきれいにしてあげてください。あなたのお気に入りが、さらに魅力が増し輝きを放つことでしょう。
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