原皮の種類について 革のもとになる原皮を知ろう
革は私たちの生活に馴染み深い素材です。革製品は私たちの手元に届く前に、動物の皮をさまざまな工程を経て革になります。革製品を扱うブランドは、思い描いている製品に合った皮を選んでいます。
本記事では、革製品になる前の「原皮」について解説をしていきます。原皮の段階で「しなやかさや厚さ」に違いがあり、各ブランドがこの製品に、なぜこの革を使用しているのか理解することができます。
革製品の知識を身に着けて、レザーアイテムをさらに楽しみたい方は最後までご覧ください。
原皮とは
皮は生きていた動物の革であるため、付着している肉などを取り除き、乾燥させて腐らないようにして保管します。
このような処理を実施した皮を「原皮(げんぴ)」と呼びます。
革製品を作る際には、この原皮を加工し、柔軟で耐久性のある素材である革に仕上げます。さまざまな種類の動物の原皮が使用され、それぞれの特性に応じて異なる革製品が作られます。
原皮の種類について
原皮は重さや分厚さによって、「ハイド」と「スキン」の2種類に分類されます。
ハイドについて しっかりとした厚みのある皮
ハイドとは、牛や馬などの大きな動物から得られる皮膚で、25ポンド以上の厚みがあるものを「ハイド」と呼ばれます。ハイドは大きくて頑丈なため、靴やバッグ、家具などの製品に広く使用されます。
【ハイドの特徴まとめ】
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重さと厚み:ハイドは、スキンよりも重く、厚みがあります。そのため、耐久性があり、重い荷物や家具の張り地に適しています。
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耐久性:ハイドは繊維が密集しており、耐久性が高いです。これにより、長期間の使用にも耐える製品を作ることができます。
- 加工難易度:ハイドは厚みがあるため、加工がスキンに比べて難しい場合があります。厚みのある皮の特徴を理解して、適切な技術と道具を活用します。
スキンについて 薄くてしなやかな皮
スキンとは、羊、豚、鹿、ヤギなどの小型動物から得られる皮膚を「スキン」と呼ばれます。スキンは柔らかく、軽い特徴が挙げられます。一方、1頭あたりから採れる面積が小さいため、高級品によく使用されます。
生後6か月までの子羊の皮である「カーフスキン」は、しなやかで美しく希少性が高いことからハイブランドの財布やバッグで採用されています。
【スキンの特徴まとめ】
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軽さと柔軟性:スキンは軽く、しなやかな素材です。そのため、財布やバッグ、衣類など身に着けるアイテムに適しています。
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耐久性: スキンは軽くしなやかである一方、ハイドよりも薄く繊細です。そのため、過度な摩擦や外部からのダメージに対しては注意が必要です。
- 加工難易度:スキンは薄いため、細かなディテールや柔軟な曲線を作る加工が比較的しやすいです。周りとは差別化できるような手の込んだデザインが実現できます。
原皮から革へ
原皮ができるまでにいくつかの工程を得て、皮から革になります。
一般的な工程の流れについて解説します。
- 剥皮:動物の皮膚を剥ぎ取ります。
- 脱毛:剥ぎ取った皮膚から毛を取り除きます。
- 鞣し(タンニング):原皮を柔らかくし、腐敗を防ぐために、「環境にやさしいタンニン鞣し」や「クロム鞣し」など処理を施します。
- 仕上げ:原皮に仕上げや染色を施し、質感や色合いを出します。
このような流れの他にいくつもの工程で原皮が加工され、生活に溶け込む革製品に変化していきます。
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まとめ
「原皮」について解説をしていきました。
原皮は、厚さと重さがある「ハイド」やしなやかで軽量な「スキン」の2種類に分類されます。そして、特徴に合わせて革製品として家具やバッグなどに活用されていきます。
自身の身の回りの革は、どんな原皮から作成されたものかチェックしたりしながらレザー素材を楽しんでみてください。