革製品を知る|世界のファスナー(ジッパー)のメーカーを紹介
革製品によく使われている金具パーツといえば「ファスナー」。ファスナーは「ジッパー」や「チャック」とも言われますよね。これらに違いはなく同じものを指しています。ではなぜ呼び名に違いがあるか?また、ファスナーを製造する世界の様々なメーカー、そしてファスナーのメンテナンス方法もお伝えします。
「ファスナー」と「ジッパー」と「チャック」って何が違うの?
ファスナー(Fastener)
英語で「留める」「固定する」という意味の”fasten”が語源とされています。1891年にアメリカでブーツの靴紐を結ぶ不便さを解消しようと考案されました。しかし当時はまだ「使っているうちにファスナーが開く」などの不具合が多く一般的に普及しませんでした。
ジッパー(Zipper)
ファスナーが生まれてから30年後に、同じくアメリカのシューズメーカーが初期のファスナーを改良して取り付けた靴が好評で、これを機にファスナーの認知が一気に広まります。このときファスナーを開閉するときの「ジッジッ…」という音をヒントに「ジッパー」という名称で商標登録されました。
チャック(チャック印)
アメリカでのファスナー(ジッパー)の普及を知った広島県尾道市のメーカーが、昭和 3 (1928) 年に「巾着(きんちゃく)」からもじって、ファスナーを「チャック印」として製作。これを販売したところ評判になりました。「チャック印」は商標登録され、これを略した「チャック」という呼び名が国内で広く定着しました。つまり「チャック」は日本国内だけの通称で、海外では通じません。
世界のファスナーメーカー
YKK(ワイケーケー)
言わずと知れた日本が世界に誇るファスナーメーカーの最大手企業です。昭和9年(1934年)に創業した「吉田工業株式会社」の英文表記の頭文字とって、ファスナーの商標名としたのが「YKK」のはじまりです。ファッションや雑貨などの機能・デザインに沿うようなファスナーを多種多様に生産し、またその耐久性・品質の高さにより世界中で親しまれています。年間生産量は300万km以上。世界シェア1位 (45%)です。
YKKのファスナーの特徴
100分の1ミリの誤差も許さないハイレベルな技術力を誇ります。金属ファスナーだけでなく樹脂ファスナーも生産し、その種類は10万種以上あります。一般的なファスナーから、厚さ1mmの極小ファスナーや伸縮性のあるファスナーなど、革新的なモノづくりにも挑戦し続けています。近年はデザイン性にも優れた「エクセラ」シリーズを採用するファッションブランドが増えています。
(画像参照:YKKジャパン)
TALON(タロン)
世界で初めてのファスナーを製作したアメリカのメーカーです。ファスナーの製造方法の基礎となる部分を確立しました。現在でも多くのファスナーメーカーが、この製造規格に沿っています。残念ながら1991年に倒産し、現在TALONのファスナーは製造されていません。
TALONのファスナーの特徴
古着屋さんなどにあるヴィンテージのレザージャケットやフライトジャケットによく見かけることができます。引手部分が角ばった無骨なデザインが多く、しっかりとした噛み合わせによって、丈夫で安心感があります。
(画像参照元:TALON)
IDEAL(アイディール)
1936年にニューヨークで創業したファスナーメーカーで、YKKに続き世界シェア第2位を誇ります。種類も豊富でコストパフォーマンスにも優れており、様々なデザインのファスナーを製作しています。世界中で販売されています。
IDEALのファスナーの特徴
YKKと同様に、現代のニーズに合わせて多くの種類を開発する一方で、伝統を重んじ、アンティーク風の商品に合いそうなヴィンテージテイストのファスナーも数多くあります。1939年以降、ミルスペックを満たしたファスナーを米軍に供給し続けています。
(画像参照元:IDEAL)
riri(リリ)
1936年に創業されたスイスのファスナーメーカーです。独特のデザインやメタリックな輝きや色合いにより、デザインを重視するファッションブランドなどに多く採用されています。
ririのファスナーの特徴
デザイン性だけでなく強度にも優れています。金属の歯の部分が、他のファスナーメーカーに比べて少し固めに作られている為、耐久性が高いファスナーです。その反面、場合によっては開閉しづらいケースもあるようです。
(画像参照元:riri)
LAMPO(ランポ)
1887年に創業したイタリアのファスナーメーカーです。CHANELやDOLCE&GABBANAなど有名ハイブランドで採用されており、高級ファスナーブランドとしての地位を確立しています。LAMPOは「世界一美しいファスナー」と言われており、デザイン性を追求するイタリアの職人気質が詰まった商品が特徴的なメーカーです。
LAMPOのファスナーの特徴
スライダーの引手部分にメッキ加工を施したり、キャラクターやスワロフスキーなどをあしらったもの、またテープ部分のテキスタイルにこだわったものなど、個性あふれるデザインが数多くあります。
(画像参照元:LAMPO)
ファスナーのお手入れ
ファスナーは稼働することが多いため、密にお手入れをする必要はありませんが、長期間使わず放置しておくと、ムシ(務歯)のかみ合わせが悪くなり開閉しづらくなる場合があります。
ファスナーが動きづらいなと感じたときは、ほんの数分メンテナンスするだけで解決します。
用意するもの
ブラシ、ファスナーオイル、布を用意します。
お手入れの仕方
- ブラシでファスナーに付いているホコリを払います
- ファスナーのムシ部分にオイルを少しずつ注します
- 持ち手の内側にもオイルを注します
- 余分なオイルを乾いた布で拭き取ってください
まとめ
革製品だけでなく、さまざまな箇所で使われているファスナーは、現代の日常生活に溶け込んでいるといって良いかもしれません。見方を変えると、ファスナーには各メーカーの高い技術が込められているからこそ、ストレスなく無意識のうちに使われていることに気がつきます。
普段何気なくつかっているファスナーを近くでじっくり見てみてください、その精巧な挙動に感心しますよ!
お手入れは簡単で5分もかからないので、革製品のメンテナンス時に一緒に行ってみてください。
私たちBLUE SINCERE(ブルーシンシア)の製品は、数千回の挙動テストにクリアした品質の高いYKKのファスナー「EVERBRIGHT®(エバーブライト)」を使用しています。
バングラデシュの自社工場から、日本へ「エバーブライト」を発注し製品に取り付けています。この上質なファスナーをぜひ手にとってお確かめください!
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